家庭でできる節水術と水に関する知識を紹介~ヘッダー画像
水道料金の値上がりは、様々な要因が絡み合っておきます。昨今の値上げラッシュでお困りの方も、水道料金が上がる仕組みや値上がり分の料金が何に使われているのかを知っておき、節水を心がけましょう。

なぜ値上がりするのか?水道料金の仕組みと値上がりの原因究明

水道料金はなぜ上がる?理由と原因を徹底解説

 

私たちの生活に欠かせない水道水。
しかし、近年では各地の水道料金が値上がりし、家計を逼迫する事態がたびたび起きています。

 

そもそも、なぜ水道料金は上がるのでしょうか?
その理由と原因を詳しく見ていき、水道料金に関する理解を深めていきましょう。

 

インフラの老朽化

水道管が破裂するイメージ
日本の水道インフラは1950~1970年代に整備され、現在ではその多くが耐用年数を超えており、深刻な問題と化しています。
老朽化した設備は漏水や破損、水質低下、供給不安定といったリスクを高めるため、早急に解決しなくてはなりません。

 

設備を修繕・交換するためには大規模工事が必要で、莫大なコストがかかってしまいます。
また、老朽化対応には技術や運営の刷新も含まれ、旧来の水処理技術から最新技術への移行やITを活用した遠隔監視システムの導入も進められています。
さらに、地震などの自然災害対策も必要で、耐震工事や災害時の迅速な復旧体制整備などの費用も水道料金に反映されています。

 

人口減少と水需要の変化

日本の少子高齢化による人口減少は水道事業にも影響を与えています。
特に地方や過疎地域では水道水の需要が減少し、インフラの維持管理が経済的に困難です。

 

過去に大規模需要を見越して作られたインフラは、現在の人口減少に対応しきれず、利用者減少により一人当たりの水道料金が上昇します。
固定費が多い水道事業では、利用者減少により一人当たりの負担が増加。
都市部でも少子高齢化の影響は無視できず、高齢者世帯の水使用量減少が見られる一方、依然として高い水需要を持つため、インフラ維持と新規設備更新の必要性が生じます。

 

このような状況も、水道事業者にとって重い負担となってしまうのです。

 

安全な水供給のためのコスト増加

日本では水道水の安全性が高く保たれていますが、厳しい水質基準を維持するためのコストが増加しています。
浄水場での水処理工程が複雑化し、活性炭吸着やオゾン殺菌などの高度な浄水技術が導入され、これに伴う設備投資や運営コストが水道料金に反映されます。

 

また、浄水処理に使用される薬品の種類や量が増加し、薬品購入費用や保管・管理・廃棄物処理のコストも増大しています。
さらに、水質検査の頻度と範囲が拡大し、検査体制の強化も必要です。

 

エネルギーコストの上昇

 

浄水場やポンプ場の運営には電力や燃料が不可欠であり、エネルギー価格の上昇が水道料金に影響を与えていることをご存知でしょうか。

 

浄水場では、多段階の処理に大量の電力が必要で、高度な浄水技術を導入する場合、そのエネルギー消費量はさらに増加します。
ポンプ場の運営にも多くのエネルギーが必要で、高層ビルや遠隔地への水供給には強力なポンプを使用し、その電力消費量が増加します。

 

特に都市部や山間部ではポンプの使用頻度が高く、影響が大きくなります。
エネルギーコストの上昇は予算の見直しや資金計画にも悪影響を与え、水道事業者はエネルギーコスト増加に対応するために水道料金を値上げすることがあります。

 

水道料金はやむを得ない事情で値上がりしている

水道料金の値上がりには、複数の要因が絡み合っていることがご理解いただけたのではないでしょうか?
インフラの老朽化、人口減少、安全な水供給のためのコスト増加、環境保護への対応、エネルギーコストの上昇、先進技術の導入……。

 

いずれにせよ、我々にできるいちばん簡単なことは節水を心掛けることです。
貴重な水資源を大切に使っていきましょう。